
毎日袖を通す事務服は、いわば「仕事に挑むための戦闘服」であり、周囲への信頼感を醸成するツールでもあります。しかし、年齢を重ねるにつれて、以前似合っていたものがしっくりこなくなったり、地味に見えてしまったりすることに悩む方も少なくありません。
今の自分を一番美しく見せるためには、年齢に応じた「視点の切り替え」が必要です。世代ごとの強みを活かした、おしゃれな事務服の着こなし術を探ってみましょう。
20代:色の力を借りて「親しみやすさ」を演出する
20代の事務服スタイルで大切にしたいのは、若々しさを武器にした「明るさ」です。定番の紺や黒のベスト・スカートであっても、ブラウスに淡いピンクやサックスブルーなどの色味を差すだけで、顔まわりの印象は劇的に変わります。
この時期は、トレンドを意識した少しタイトなシルエットや、デザイン性の高いリボンタイなども軽やかに着こなせます。「清潔感」をベースにしながら、顔色を明るく見せるカラー選びを意識することで、職場の雰囲気を和ませる好感度の高いスタイルが完成します。
30代〜40代:シルエットと「質感」で語る大人の余裕
中堅からベテランへと差しかかるこの年代は、可愛らしさよりも「知性」と「信頼感」に重きを置きたい時期です。おしゃれのポイントは、服の「形」と「素材の良さ」に注目することにあります。
例えば、ストレッチ性が高く動きやすいだけでなく、適度な厚みがあって体のラインを拾いすぎない生地を選ぶと、立ち居振る舞いがよりエレガントに見えます。また、ウエスト位置を高く見せるベルト使いや、足首が少し覗くパンツ丈など、全体のバランスを整えることで、落ち着いた中にも洗練された都会的な印象を与えることができます。
50代以上:引き算の美学と「一点のこだわり」
豊富なキャリアを持つ50代以上の方は、装いに「品格」を宿らせるのがおしゃれの近道です。多くのアイテムを盛り込むのではなく、あえてシンプルにまとめる「引き算」のスタイルが、内面の豊かさを引き立てます。
シンプルなブラウスに、質の良い大ぶりなブローチを添えたり、上質なスカーフを巻いたりするなど、一点豪華なアクセントを加えるのがおすすめです。また、首元や手首など、年齢が出やすい部分をカバーしつつ美しく見せるカッティングのデザインを選ぶことで、優雅で隙のないプロフェッショナルな佇まいを演出できます。
自分を更新し続ける楽しみ
事務服は、年齢とともに変化する自分の魅力を教えてくれる鏡のような存在でもあります。「今の私」を否定するのではなく、今の肌色や体型に寄り添う一着を選ぶこと。その細やかな気配りこそが、最高の「おしゃれ」となって周囲に伝わります。









