
作業現場における暑さ対策として作業服を選ぶ際は、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
1. 冷却機能を持つ作業服を選ぶ
近年の作業服には、様々な冷却機能を持つものが登場しています。
ファン付き作業服(空調服)
仕組みと効果: 服に内蔵された小型ファンが外気を取り込み、服の中で風を循環させて汗を蒸発させ、気化熱で体を冷却します。これにより、体温上昇を抑え、熱中症リスクを低減する効果があります。
注意点:火気を取り扱う現場(ガソリンスタンドなど)では、ファンから出る火花が引火する可能性があるため、着用できません。ただし、防爆型の空調服も開発されています。
高温多湿の環境では、汗が蒸発しにくいため、冷却効果が低くなることがあります。
風がしっかり循環するように、体にぴったりしすぎない、少しゆとりのあるサイズを選ぶのがおすすめです。
冷却ベスト
保冷剤タイプ: 背中や脇などのポケットに保冷剤を入れて、部分的に直接体を冷やします。即効性がありますが、冷却効果の持続時間は限られます。
水冷タイプ: ベスト内に張り巡らされたチューブに冷水を循環させて体を冷やします。保冷剤の量によっては比較的長時間冷却効果が持続します。
ペルチェ式: 電気を通すと冷却される「ペルチェ素子」を搭載したタイプです。冷却範囲は限定的ですが、電源がある限り長時間使用できるのがメリットです。
ファン付きとの併用: ファン付き作業服と冷却ベストを組み合わせることで、より高い冷却効果が期待できます。
2. 素材と機能性で選ぶ
冷却機能付きの作業服以外にも、素材や機能性を考慮することで快適性は大きく変わります。
吸水速乾素材: 汗を素早く吸収し、乾かす機能を持つ素材は、汗によるべたつきや不快感を軽減します。ポリエステルやコンプレッションインナーなどが代表的です。
接触冷感素材: 肌に触れるとひんやりと感じる素材です。直接的な冷却効果は低いものの、着用時の快適性が向上します。
遮熱素材: 太陽光を反射して、衣服内の温度上昇を抑える機能を持つ素材です。特に屋外での作業に適しています。
ストレッチ性: 動きやすさを重視する場合、ストレッチ性のある素材を選ぶことで、作業効率が向上し、疲労軽減にもつながります。
3. 怪我・事故防止の観点から選ぶ
長袖・長ズボン: 暑いからといって肌の露出が多い服装は、怪我や日焼けのリスクを高めます。通気性や吸水速乾性に優れた素材の長袖・長ズボンタイプを選ぶことで、安全性を確保しつつ快適に作業ができます。
まとめ
作業現場の環境(屋外・屋内、火気の有無など)や作業内容、個人の好みに合わせて、最適な作業服を選びましょう。複数のアイテム(ファン付き作業服、冷却ベスト、吸水速乾インナーなど)を組み合わせて使用することも有効です。購入の際は、試着してサイズ感を確認したり、各メーカーの機能や特徴を比較検討したりすることをおすすめします。









