夏の暑さ対策として近年注目を集めている空調服。作業現場や屋外での活動において、熱中症予防に効果的なアイテムとして多くの方に利用されています。しかし、空調服にも様々な素材や種類があり、どれを選べばよいのか迷ってしまうことも少なくありません。
空調服は、主に以下の3つのタイプに分類され、それぞれ冷却の仕組みと効果に違いがあります。
1. 空調服(ファン付き作業着)
仕組みと冷却効果
仕組み: 服に取り付けられたファンが外気を取り込み、服の中で空気を循環させます。この風が、肌にかいた汗を蒸発させる際の「気化熱」によって体を冷やします。
冷却効果: 汗をかいている状態では高い冷却効果を発揮しますが、湿度が高い環境では効果が薄れます。これは、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるためです。逆に、乾燥した環境では非常に効果的です。また、外気温が高すぎると、熱風を取り込むことになり、冷却効果が落ちることがあります。
メリット:
軽量で動きやすい。
バッテリーが長時間持続する。
服全体に風が通るため、広範囲を冷やせる。
比較的手軽に購入できる。
デメリット:
ファンの音が気になる場合がある。
服が膨らむため、見た目が気になる人や、狭い場所での作業には不向きな場合がある。
高温多湿の環境では効果が落ちる。
2. 水冷服
仕組みと冷却効果
仕組み: ベストの内部に張り巡らされたチューブに、水と氷を入れたタンクから冷水を循環させ、体表を直接冷やします。
冷却効果: 氷水で直接体を冷やすため、即効性が高く、周囲の温度や湿度に左右されずに安定した冷却効果が得られます。 特に、気温が35℃を超えるような酷暑や、湿気がこもりやすい環境で非常に高い効果を発揮します。
メリット:
冷却効果が非常に高い。
高温多湿の環境でも効果が落ちない。
ファンがないため、静音性が高く、粉塵が舞うような環境でも使いやすい。
薄手のインナーとして着用できるモデルもあり、動きやすさを重視する現場にも適している。
デメリット:
水を補充する手間がかかる。
タンクや水・氷の重さがあるため、長時間着用すると負担になることがある。
初期費用が空調服よりも高めな場合がある。